株式会社テックアナリシス
TEKANALYSIS CO.,LTD

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調湿環境下ラマン測定 ― 原薬安定性評価と吸湿挙動解析への応用

湿度を制御しながら“その場”で観察 ― 安定性と転移挙動をラマンで解析

調湿制御装置は,試料を非接触で観察できるプローブ型ラマンと組み合わせることで,温湿度変化に伴う結晶転移や吸湿挙動をリアルタイムで評価できます.原薬の安定性評価,包装材の影響解析,保存条件の最適化などに応用可能で,非破壊での“環境再現型”測定を実現します.

本システムは,恒温・恒湿環境を精密に制御できる中空糸膜式調湿チャンバーと,非接触測定が可能なプローブ型ラマン分光装置を組み合わせた「環境制御型ラマン測定ユニット」です.
チャンバー内部では,加湿・除湿エアの流量と温湿度をPID制御によりリアルタイムで調整し,湿度センサーによって安定した環境を維持します.プローブはチャンバー上部から試料へ直接照射され,気流や水分の影響を受けずに安定したスペクトル取得が可能です.
この構成により,
・結晶性医薬品や食品粉末の吸湿挙動解析
・包装材内の湿度応答性評価
・結晶転移点・安定性限界の可視化

など,従来困難だった“動的環境下”での分子構造変化の追跡が実現します.
特にカフェイン水和物をモデルとした研究では,調湿下でのラマン測定により1656 cm⁻¹および1698 cm⁻¹のピーク比から水和物→無水物転移をリアルタイムで確認.さらに,包装材(ポリエチレン,VSS-F120,FCL-1131)の違いによる転移速度と透湿度の相関を明らかにしました.この結果は,防湿包装の評価・保管条件の最適化・安定性試験の短縮など,医薬・食品・化粧品業界での品質設計に新たな指標を与えます.
写真のように,チャンバー内部に湿度センサーおよびラマンプローブを配置した構造は,安定性試験・保存試験をラマンで直接モニタリングできる実用的なソリューションです.調湿チャンバー内部にプローブと湿度センサーを設置し,医薬品カプセルや粉体試料を非接触測定に対応可能.
研究開発から品質保証(PAT/QbD)まで,広範な分野での応用が可能です.

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